イタリア・ローマの中心部にそびえるコロッセオは、西暦72年に皇帝ウェスパシアヌスが建設を始め、80年に息子のティトゥス帝が完成させた古代ローマ最大の円形劇場です。正式名称は「フラウィウス円形劇場」で、近くにあった皇帝の巨大な銅像「コロッソス」にちなんで「コロッセオ」という愛称で親しまれています。高さ約48メートル、外周約527メートルあり、最大5万人から8万人の観客を収容でき、当時は15分以内に満席になる設計でした。外壁は4階建てで、それぞれ異なる柱のデザインが並び、現代のスタジアムの原型となった傑作です。
実際に訪れると、その大きさに驚きます。地下には「ヒポゲウム」と呼ばれる複雑な通路と部屋があり、そこからエレベーターのような装置で猛獣や剣闘士を競技場に送り出していました。円形劇場の床は木製で、上に砂を敷き詰めていましたが、現在は床の大部分がなくなり、地下の構造が見えるようになっています。2階の展示室では、剣闘士の武器や彫刻、当時の模型が展示されており、音声ガイドを聞きながら回ると、2000年前のローマ人の暮らしが想像できます。夜になるとライトアップされ、昼間とは違う幻想的な雰囲気を楽しめます。
この劇場を訪れる最大の理由は、古代ローマの「力と技術」を目の前にできることです。開幕式では100日間続く祝祭が開かれ、多くの動物や剣闘士が集まったと記録されています。剣闘士の戦いや猛獣狩りなど、当時の人々が熱狂した光景を今も感じ取れます。ただし、訪問には事前準備が大切です。チケットは「記名制・時間指定制」になっており、入場時にパスポートなどの身分証明書が必要です。名前の変更はできず、当日の窓口販売はほとんどありません。繁忙期は数週間前からオンライン予約が必要です。
効率よく楽しむためには、朝8時30分の開場と同時に入るのが最もおすすめです。午前中は観光客が少なく、写真も撮りやすく、夏場は気温も上がる前に回れます。開館時間は季節により異なり、3月末から8月末は8時30分から19時15分、10月1日から10月最終土曜日までは18時30分、それ以外の時期は16時30分までです。最終入場は閉館1時間前です。休館日は1月1日と12月25日のみで、毎月第1日曜日は無料開放されますが、当日券配布の長い列ができ、特別エリアは閉鎖されるため、通常日の有料チケットを事前予約する方が賢明です。
最寄りは地下鉄B線のコロッセオ駅で、駅を出ればすぐ目の前に競技場が見えます。隣接するフォロ・ロマーノ(古代ローマの遺跡群)とパラティーノの丘も同じチケットで24時間以内に入場でき、朝にコロッセオを回り、午後は古代ローマの政治の中心地を巡るのが理想的な一日コースです。古代ローマの力とロマンを感じられるこの劇場は、初めてのローマ旅行者にもリピーターにも、永遠の都の象徴として外せない必見スポットです。
☞ コロッセオ公式






