イタリア・ローマのテベレ川沿いにある真実の口は、大きな口を開けた男性の顔が彫られた大理石の円盤です。直径約1.75メートル、重さは1300キログラム以上あり、ひげを生やした顔に目と鼻と口の穴が開いています。紀元前1世紀から紀元後1世紀頃に作られたと考えられており、もともとは古代ローマ時代の「マンホールの蓋」だったと言われています。雨水を集めたり、神殿や建物の排水口として使われていた可能性が高く、海の神オケアノスを表していると考えられています。水に関係する神の顔を彫ったのは、水を「飲み込む」力を表現するためだったようです。
実際に訪れると、教会の外壁にぽつんと埋め込まれた石の顔が並ぶ観光客の列の先に見えます。ここはサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の入口のポルティコ(屋根付きの玄関)で、1631年に教皇ウルバヌス8世の命令でこの場所に移されました。列に並んで順番が来たら、石の口に右手を入れて写真を撮ります。中世から「嘘をつくと手をかみちぎられる」という伝説があり、1485年の文書に「真実の口」という名前が初めて登場しました。1953年の映画「ローマの休日」で、グレゴリー・ペックがオードリー・ヘプバーンを驚かせる有名なシーンが撮られて以来、世界中から観光客がこの伝説を試しに来ます。
この場所を訪れる最大の理由は、歴史と映画のロマンを一度に楽しめることです。コロッセオが古代の力を示すなら、真実の口はローマの「遊び心」と「伝説」を体現する場所です。並んでいる間も、前の人が手を入れて驚いたり笑ったりする様子を見るのが楽しく、自分の番が来るとドキドキします。教会の内部も無料で見学でき、6世紀に建てられた古い教会で、床のモザイクやコリント式の柱が残っています。教会の前には古代ローマのヘラクレス神殿や、ヤヌスの凱旋門もあり、周辺は歴史的な遺跡が点在しています。ただし、写真撮影は順番が来てから素早く行うのがマナーで、長時間占領すると後ろの人に迷惑になります。
効率よく楽しむためには、朝9時30分の開館と同時に訪れるのが最もおすすめです。午前中は観光客が少なく、列も短く済みます。開館時間は毎日9時30分から17時50分までで、最終入場は17時40分です。入場は無料ですが、教会の維持のため募金箱に小額の寄付をするのが一般的です。最寄りは地下鉄B線のチルコ・マッシモ駅で、駅から徒歩10分程度です。コロッセオやフォロ・ロマーノ、カピトリーノの丘からも徒歩圏内にあり、朝に古代遺跡を回り、午後に真実の口を訪れるのが理想的な半日コースです。トレヴィの泉やスペイン広場からは少し離れているため、バスや地下鉄を使うと便利です。ローマの歴史に触れながら、映画のワンシーンを体験できるこの場所は、初めての旅行者にもリピーターにも、思い出に残る外せない必見スポットです。
☞ 真実の口






