アラゴン州とは、
北をフランス国境に接しピレネー山脈に抱かれたウエスカ 県、エブロ川流域に広がるサラゴサ県、イベリコ山 系を擁するテルエル県の3県からなる。3000m 級の山々が連なるピレネー山脈を抱擁する豊かな自然環境。 さまざまな文化、 民族、宗教がミックスした歴史的環境から形成される。
ピレネーの魅力を体験するならオルデサ・ イ・モンテ・ペルディード国立公園がお勧め。イベリア半 島で最も美しい場所の一つとされ世界遺産にも登録されているモンテ・ペルディード山 (標高3355m)と4つの谷(オルデサ圏谷、アニスク ロ渓谷、エスクアイン峡谷、ピネタ圏谷)がある。
中でもオルデサ圏谷 は切り立った断崖や深い森、滝などの変化に富 む自然景観を満喫でき、ハイキングの拠点 となる美しいトルラ村が人気。
ラフティングや沢下り、パラグライダー、ハイキン グなど各種スポーツア ウトドア派に人気。
文化遺産の宝庫
古都ハカの郊外には、中世 の名建築とされるサン・ファン・デ・ラ・ペーニャ 旧修道院がある。
大きな岩山(スペイン語でペー ニャ)に守られるように建築されており、ロマネス ク様式の回廊の美しさも際立っている。
同じくウエスカ県のロアーレ城もアラゴン・ロマ ネスクの宝石。ヨーロッパで最も保存状態が良いロ マネスク建築でもある。
サラゴサ市は、ローマ時代の昔から物流 の中心として機能してきた街には、各時代の象徴 的な建築物が残る。市内ではローマ帝国時代の城 壁や公共広場、浴場、劇場を見学できる。またス ペインで最も美しいイスラム建築とされるアルハフェリア宮殿は、イスラム建築様式、イスラム建築 とキリスト教建築が融合したムデハル様式、さらに は15世紀末のゴシック・ルネッサンス様式が混在 する特異な存在だ。
スペイン最大規模 のバロック建築である聖母ピラール大聖堂も見逃せ ない。
南部のテルエル県は広大な平地と自然豊かな イベリコ山系が美しい県だ。テルエル市の旧市街にはムデ ハル様式の4つの塔(サンタ・マリア大聖堂の鐘楼、 サン・ペドロ教会の鐘楼、サン・アルティンの塔、 エル・サルバドルの塔)があり、「アラゴン・ムデハ ル建築群」として世界遺産にも登録されている。ま た13世紀にあった悲恋の実話の主人公「イサベルと フアン」が「テルエルの恋人たち」の霊廟に眠り、 毎年2月には街を挙げて2人の物語を劇として再現 している。
★アラゴン州の中世が残る小さな町
中世にタイムトリップしたかのよ うな風景が残る小さな町が点在し、都市とは異な る魅力を放っている。
・ウエスカ県アルケサルはベー ロ川に囲まれた要塞の町で、高台に建つ教会が街 に特徴的な景観をもたらしている。
・テルエル県アルバラシンはスペインで最も美しい 町のひとつと謳われ、赤い石膏の壁を持った家々 が立ち並び、バラ色に輝く町と表現される。
・サラゴサ県南部のダローカは中世のたたずまいが そのまま残る城郭都市。
・県北西部のソス・デル・ レイ・カトリコは、町の中心にある「サダの館」が、 15世紀のカトリック王、フェルナンド2世生誕の場 所としても有名だ。ウン・カスティージョは、12世紀 のスペイン・ロマネスクの最高峰とされる7つの教 会群や、城壁跡、旧ユダヤ人街、城館が中世の面 影を宿している。