イタリア・ローマの歴史地区に佇む「パンテオン」は、約2,000年前の古代ローマ時代に建てられた神殿であり、現存する古代建造物としては世界最高峰の保存状態を誇る奇跡の遺産です。1世紀に建築され、その後、120年頃に皇帝ハドリアヌスによって再建されました。「すべての神々のための神殿」を意味する名を持ち、7世紀からはキリスト教の聖堂「サンタ・マリア・アド・マルティレス」となったことで、破壊を免れ当時の壮麗な姿を今に伝えています。
ローマを訪れたら絶対に足を運ぶべき理由は、古代の超絶技巧が詰まった建築の美しさと、偉人たちが眠る歴史的価値にあります。正面にはエジプトから運ばれた巨石の御影石(花崗岩)の柱が並び、一歩中へ入ると、柱のない直径43.3メートルの大空間が広がります。このドームは鉄筋が入っていないコンクリート製(無筋コンクリート)としては今なお世界最大の規模を誇ります。また、堂内にはルネサンスの天才画家ラファエロや、イタリア統一を果たした初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の墓があり、歴史の重みを肌で感じられます。
実際にこの空間に身を置くと、ドームの頂点にぽっかりと開いた直径約9メートルの天窓「オクルス(聖なる目)」から差し込む一筋の光が、息をのむほど幻想的で言葉を失います。この天窓はガラスなどが一切ない完全な「穴」のため、雨の日には雨水が堂内に降り注ぎますが、床には古代ローマ人が緻密に計算して設計したわずかな傾斜と22箇所の排水穴があり、水がたまらない仕組みになっています。2,000年も前にこれほど完璧な調和と機能性を備えた建造物が作られたという事実に、深い感動を覚えずにはいられません。
初めて訪れる際の重要なポイントとして、近年になって入場が有料化された点が挙げられます。チケットの基本料金は数ユーロと手頃ですが、週末や観光シーズンは非常に混雑するため、事前に公式サイトから時間指定のオンラインチケットを予約しておくことが必須です。また、現在も神聖な教会として機能しているため、厳格なドレスコードがあります。肩や膝が露出するノースリーブや短いパンツ、過度に胸元が開いた服装では入場を拒否されるため注意が必要です。足元は石畳や堂内を歩きやすいスニーカーを選び、静粛な態度で見学を楽しみましょう。
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