スペインの春を彩る15の絶景スポットのご紹介
バルセロナからそれぞれの春の名所へアクセスする際の代表的な移動手段と、おおよその所要時間の目安です。なお、現地での交通事情や季節、便の運行状況により変動する可能性がありますので、最新の情報を旅行前にご確認ください。
1. マヨルカ島の白とピンクのショール
マヨルカ島では、毎年1月下旬から2月にかけて、約400万本のアーモンドの木が一斉に花を咲かせます。この光景は、島全体が白やピンクの繊細なショールに包まれたかのような美しさを呈します。特に、セラ・デ・トラムンタナ山脈の麓にあるソン・セルベラやビニサレムなどの地域では、アーモンドの花が山々を背景に広がり、息をのむような景色を作り出します。この時期、多くの芸術家や写真家がこの幻想的な風景を求めてマヨルカを訪れ、その美しさを作品に収めています。アーモンドの花は、マヨルカの伝統的な菓子や料理にも使用され、島の文化と深く結びついています。
◆アクセス方法
飛行機:バルセロナ国際空港（El Prat）からパルマ・デ・マヨルカ空港への直行便が充実。
フェリー:バルセロナの港からマヨルカ島行きのフェリーも運航されていますが、時間に余裕がある場合におすすめ。
◆所要時間の目安
飛行機の場合: フライト約1時間（空港送迎含め約2～3時間）
フェリーの場合: 約7～8時間
2. グラン・カナリア島のテヘダ
グラン・カナリア島のでは、2月にアーモンドの開花時期に合わせて「アーモンドの花祭り」が開催されます。この祭りは、カナリア諸島で最も古い伝統行事の一つで、約100年の歴史があります。祭りでは、地元の工芸品の展示販売、カナリア諸島の伝統音楽や民族舞踊のパフォーマンス、そしてアーモンドを使った料理の試食会などが行われます。テヘダ村は、その美しい白い家々と石畳の通り、そして周囲の壮大な山々の景観から、スペインで最も美しい村の一つとして知られています。村の中心にある教会からは、アーモンドの花に覆われた谷の絶景を楽しむことができます。
◆アクセス方法
飛行機:バルセロナからグラン・カナリア島行きの直行便を利用。
現地移動:目的地テヘダへは、空港到着後にレンタカーまたはバスでの移動がおすすめ。
◆所要時間の目安
飛行機: 約4時間（実際のフライト時間）
テヘダ村までは空港から車で約1～1.5時間
→ 総じて約5～6時間
3. マドリードのキンタ・デ・ロス・モリーノス公園
マドリード市内にあるキンタ・デ・ロス・モリーノス公園は、約1,500本のアーモンドの木が植えられた都市のオアシスです。2月から3月にかけて、公園全体が白やピンクのアーモンドの花で覆われ、都会の喧騒の中で春の訪れを告げます。この公園は、かつて貴族の別荘地だった場所を1920年代に公園として整備したもので、歴史的な風車や噴水なども見どころの一つです。アクセスが便利なため、多くのマドリード市民や観光客が訪れ、花見やピクニックを楽しんでいます。また、公園内には遊歩道や自転車道も整備されており、春の散策に最適です。
◆アクセス方法
高速鉄道（AVE）：バルセロナ・サンタ・スーツ駅からマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅まで快適にアクセス。
市内移動:マドリード到着後、地下鉄や市内バスで公園エリアへ。
◆所要時間の目安
高速鉄道: 約2.5～3時間
市内移動: 約10～20分
4. ムルシア州シエサの果樹園
ムルシア州のシエサは、「地上の虹」と呼ばれるほど色とりどりの果樹の花が咲き誇る地域です。特に3月には、約500万本の桃の木が一斉に開花し、ピンク色の花で丘陵地帯を覆います。この時期、シエサでは「フルーツの花祭り」が開催され、ガイド付きツアーや写真コンテスト、カヌーでのセグーラ川下りなど、多彩なイベントが行われます。また、地元のレストランでは、桃やアプリコットなどの果物を使った特別メニューが提供され、味覚でも春を楽しむことができます。シエサの果樹園は、アルモルチョン・デ・シエサ山を背景に広がり、その景観は多くの画家や写真家に影響を与えてきました。
◆アクセス方法
車:バルセロナからムルシア州内のシエサまではレンタカーでの直行が一般的。
バス・電車:乗り継ぎが必要ですが、公共交通機関でもアクセス可能。一部路線では直行便が出ている場合も。
◆所要時間の目安
レンタカー: 約7～8時間
バス・電車乗り継ぎの場合: 約8～9時間
5. ブルゴスのカデレチャス渓谷
ブルゴス県のカデレチャス渓谷は、4月になると約20万本のサクランボの木とリンゴの木が一斉に花を咲かせ、谷全体が白い花で覆われます。この地域は「白い谷」とも呼ばれ、特にレイネタ種のリンゴとサクランボの生産で有名です。開花時期には、地元のガイドによる花見ツアーや、果樹園でのピクニック、そして地元の果物を使ったデザートの試食会などが開催されます。カデレチャス渓谷は、ブルゴス市街から車で約1時間の距離にあり、周辺にはロマネスク様式の教会や中世の城跡など、歴史的な見どころも多く点在しています。
◆アクセス方法
高速鉄道＋現地車利用:まずバルセロナからマドリードまでAVEで移動、さらにマドリードからブルゴスへ接続列車またはバスで。
レンタカー:高速道路を利用したドライブでも魅力的です。
◆所要時間の目安
高速鉄道ルート:
・バルセロナ→マドリード： 約2.5～3時間
・マドリード→ブルゴス： 約2.5～3時間
→ 合計約5～6時間
車の場合: 約5～6時間
※ブルゴス市内からカデレチャス渓谷へは車で約1時間（約70km）追加
6. ハエンのオリーブ畑に咲く桜
ハエン県のマヒナ山脈では、3月から4月にかけて広大なオリーブ畑の中に桜が咲き誇ります。特にトーレスの町周辺で多く見られ、雪をかぶった山頂を背景に、白い桜の花とオリーブの緑のコントラストが美しい景観を作り出します。この時期、地元では桜祭りが開催され、ガイド付きのウォーキングツアーやオリーブオイルのテイスティングイベントなどが行われます。また、周辺の古代ローマ遺跡や中世の城塞なども見どころの一つです。
◆アクセス方法
飛行機＋レンタカー:バルセロナからグラナダ行きの直行便を利用し、グラナダ空港到着後にレンタカーで目的地に向かう方法が便利。
鉄道＋車:バルセロナ→マドリード（AVE）＋マドリードからハエンへ鉄道・バス利用と、車での移動も可能。
◆所要時間の目安
飛行機＋車の場合:
・バルセロナ→グラナダ： 約1.5時間（飛行）
・グラナダ→ハエン地域： 約1.5～2時間
→ 合計約3～4時間
鉄道＋車の場合: 合計約6～7時間
7. カセレスのヘルテ渓谷
ヘルテ渓谷では、3月中旬から4月初旬にかけて約150万本の桜が一斉に開花します。この時期に開催される桜の花祭りでは、地元の文化や音楽、グルメ、展示会などが楽しめます。渓谷には11の村があり、円形と直線の2つの道路ルートで桜を楽しむことができます。5月以降は、セレセーラと呼ばれるさくらんぼの収穫期となり、試食や果樹園ツアーなどのイベントが行われます。訪問の際は、原産地呼称のさくらんぼや地元の名物料理も味わってみてください。
◆アクセス方法
高速鉄道または飛行機＋車:バルセロナからまずマドリードまでAVEまたは飛行機で移動し、マドリードからはレンタカーまたは長距離バスでカセレス方面へ。
志かう所要時間の目安
高速鉄道ルート:
・バルセロナ→マドリード： 約2.5～3時間
・マドリード→カセレス： 約3～3.5時間
→ 合計約5～6時間
飛行機＋車の場合: マドリード経由で約5～6時間
8. アストゥリアスのシードルの里
アストゥリアス州の「シードル地域」は、ビジャビシオサ、コルンガ、ナバ、ビメネス、カブラネス、サリエゴの6つの自治体で構成されています。4月末から5月初めにかけて、この地域ではリンゴの木が開花し、美しい景観を作り出します。ナバにあるシードル博物館では、シードルの歴史や製造過程について学ぶことができます。アストゥリアスには約500種類のリンゴがありますが、シードル製造に使用されるのはそのうちの76種類だけです。7月には天然シードル祭りが開催され、シードルの注ぎ方を競う国際コンテストなども行われます。
◆アクセス方法
飛行機:バルセロナからオビエドまたはアストゥリアス空港への直行便を利用。
現地移動:空港からレンタカーにてナバ地域へ。
◆所要時間の目安
飛行機＋車の場合:
・フライト: 約1.5時間
・現地移動: 約1～1.5時間
→ 合計約3～4時間
鉄道利用の場合: 約8～9時間（かなり時間に余裕が必要）
9. ラ・リオハのナルダのプラム
ラ・リオハ州のナルダでは、4月の第一日曜日にプラムの花が満開になります。イレグア渓谷のフルーツの木々が花を咲かせるこの時期、ナルダの町では伝統料理のテイスティングや市場、ガイドツアーなどが催されます。ナルダ城の展望台からは、花々に包まれた渓谷のパノラマ風景を楽しむことができます。
◆アクセス方法
レンタカー:高速道路を利用してラ・リオハ地域へ。
鉄道:バルセロナから乗り換え（例：ザラゴザ経由）でラ・リオハ近郊へアクセスが可能。
◆所要時間の目安
レンタカー: 約5～6時間
鉄道: 約6～7時間
10. トレドのヒナゲシ畑
トレド周辺では、4月から5月にかけて広大な大地が赤いヒナゲシで覆われます。特にモンタルバンの城やポランの周辺は、春の景色を楽しむのに最適な場所です。ヒナゲシの赤い花は、小麦畑の中に点在し、美しいコントラストを生み出します。この時期、多くの画家や写真家がこの風景を求めてトレドを訪れます。
◆アクセス方法
高速鉄道（AVE）＋ローカル交通:バルセロナからまずマドリードまでAVEで移動し、マドリードからトレド行き列車またはバスでアクセス。
レンタカー:高速道路を利用して直行することも可能です。
所要時間の目安
高速鉄道＋乗り換えの場合:
・バルセロナ→マドリード： 約2.5～3時間
・マドリード→トレド： 約30分～1時間
→ 合計約3～4時間
車の場合: 約6～7時間
11. コルドバのパティオ祭り
コルドバでは、5月5日から2週間にわたってパティオ祭りが開催されます。この期間中、旧市街の住民は自宅のパティオ（中庭）を一般公開し、ゼラニウムやカーネーション、ジャスミンなどの花で美しく飾り付けます。訪問者は、フラメンコやタパス、地元のワインを楽しみながら、パティオの美しさを堪能することができます。この祭りはユネスコの無形文化遺産に登録されており、コルドバの文化と歴史を体験する絶好の機会となっています。
◆アクセス方法
高速鉄道（AVE）：バルセロナからコルドバ行きの直行列車が運行。
市内移動:コルドバ到着後は、徒歩またはタクシーで伝統的なパティオエリアへ。
◆所要時間の目安
高速鉄道: 約4時間
市内移動: 数十分以内
12. ジローナのテンプス・デ・フロールス
5月になると、ジローナの街では「テンプス・デ・フロールス」（花の季節）と呼ばれる花の展覧会が開催されます。この期間中、街の広場、庭園、パティオ、そして象徴的なモニュメントが花で彩られ、独創的な花の作品が展示されます。訪れる人々は、色鮮やかな花々と香りに包まれながら、ジローナの文化財を楽しむことができます。この祭りは、芸術と自然が融合した独特の体験を提供します。
◆アクセス方法
電車またはバス:バルセロナからジローナへは、公共交通機関が充実しており、日帰りでも十分訪れることができます。
◆所要時間の目安
電車: 約40分～1時間
バス: 約1時間
13. アビラのグレドス山脈のレダマ
5月末から6月にかけて、シエラ・デ・グレドス公園はレダマ（スパニッシュブルーム）の開花により黄色一色に包まれます。レダマは学名Spartium junceumで、黄色い房咲きの花を咲かせ、柑橘類に似た甘い香りを放ちます6。山脈に沿って広がるレダマの茂みは、60以上のビューポイントから黄色に染まった田園地帯のパノラマ景色を楽しむことができます。周辺の街では、レダマ開花祭りが開催され、ガイドツアーやグルメイベントなどが行われます。
◆アクセス方法
高速鉄道＋レンタカー:まずバルセロナからマドリードへAVEで移動し、マドリードからアビラまたはその周辺駅へ。その後、レンタカーにてシエラ・デ・グレドス公園へ。
レンタカー:全行程を車でまるごとドライブする選択肢もあります。
◆所要時間の目安
高速鉄道＋レンタカーの場合:
・バルセロナ→マドリード： 約2.5～3時間
・マドリード→アビラ： 約1.5時間
・アビラ→公園： 約1時間
→ 合計約5～6時間
車直通の場合: 約6～7時間
14. ブルゴスのひまわり畑
ラ・ブレバ地域（ブルゴス県北東部）では、春の終わりから初夏にかけて広大なひまわり畑が黄金色に輝きます。この地域は、スペインでも最も早くひまわりが咲く場所の一つとして知られています。ひまわり畑は、6月下旬から7月上旬にかけて最盛期を迎え、地平線まで続く黄色い絨毯のような光景を作り出します。
himawaのひまわり畑を楽しむ最良の方法は、車で周遊することですが、時間に余裕がある場合は畑の中を散歩するのもおすすめです。日中、ひまわりが太陽の動きに合わせて向きを変える様子を観察できるのも魅力の一つです。また、この地域では、ひまわりの開花時期に合わせて写真コンテストやガイド付きツアーなどのイベントも開催されます。
ひまわり畑の周辺には、中世の村々や古城、ロマネスク様式の教会なども点在しており、スペインの歴史と文化に触れることもできます。特に、コバルビアスやシロス修道院などは、ひまわり畑と合わせて訪れる価値のある観光スポットです。
◆アクセス方法
高速鉄道＋現地車利用:バルセロナからブルゴスへAVEまたは長距離バスで移動し、ブルゴス市内から現地道路へレンタカーまたはタクシーでアクセスします。
レンタカー:快適なドライブで直接の移動もおすすめ。
◆所要時間の目安
高速鉄道＋車の場合:
・バルセロナ→ブルゴス： 約5～6時間
・ブルゴス市内からラ・ブレバ地域： 約30～45分
→ 合計約6～7時間
車の場合: 全行程で約5～6時間
15. グアダラハラのブリウエガのラベンダー畑
グアダラハラ県のブリウエガでは、6月末から7月初旬にかけて、何キロメートルにもわたってラベンダーの紫色が広がる畑を見ることができます。この時期に開催されるラベンダー祭りは、自然の美しさと音楽、アートが融合した独特のイベントです。
ブリウエガのラベンダー畑は、スペイン最大のラベンダー生産地として知られています。約2,500ヘクタールの畑に、約1,000万本のラベンダーが植えられており、その景観は「スペインのプロヴァンス」とも呼ばれています。ラベンダーの開花時期には、畑全体が紫色に染まり、その香りが空気中に漂います。
ラベンダー祭りでは、ラベンダー畑を背景に野外コンサートが開催されます。クラシック音楽からジャズ、フラメンコまで、様々なジャンルの音楽を楽しむことができます。また、ラベンダーを使った製品の展示販売、アロマセラピーワークショップ、写真コンテストなども行われます。
ブリウエガの町自体も中世の面影を残す魅力的な場所で、10世紀の城壁や教会、博物館などを訪れることができます。ラベンダー畑と歴史的な町並みの組み合わせは、訪れる人々に忘れられない体験を提供します。
◆アクセス方法
高速鉄道（AVE）＋接続列車:まずバルセロナからマドリードへAVEで移動し、マドリードからグアダラハラへは短距離の接続列車や特急でアクセス。
レンタカー:高速道路を利用して直行するルートも人気です。
◆所要時間の目安
高速鉄道ルート:
・バルセロナ→マドリード： 約2.5～3時間
・マドリード→グアダラハラ： 約45分～1時間
→ 合計約3～4時間
車の場合: 約5～6時間
これらの15の開花スポットは、スペインの春から初夏にかけての自然の美しさを存分に楽しむことができる場所です。それぞれの地域特有の文化や伝統、そして美しい景観が、訪れる人々を魅了します。カメラを片手に、色とりどりの花々に囲まれた春のスペインを探索してみてはいかがでしょうか。
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