目次
絶景、美食、8000年のワイン史。
コーカサスの秘境ジョージア旅行完全ガイド
「ジョージアってどんな国?」
「ジョージア(旧グルジア)」と聞いて、何を思い浮かべますか? 「コーカサスの秘境」「ワイン発祥の地」「美食の国」。そのどれもが正解ですが、ジョージアの魅力はそれだけにとどまりません。
ヨーロッパとアジアの十字路に位置するこの国は、8,000年続く世界最古のワイン造りの伝統、息をのむほど雄大なコーカサス山脈の絶景、そして東西の文化が融合した独自の食文化が、驚くほどコンパクトな国土に凝縮されています。
「次の旅行先は、誰もが知る観光地ではなく、心揺さぶられる本物の体験がしたい」 そう考えるあなたにこそ、ジョージアは完璧な答えを用意しています。
なぜなら、ジョージアは「圧倒的なコストパフォーマンス」で、「ヨーロッパ随一の治安の良さ」を誇り、そして何より「人々が驚くほど親日的」だからです。歴史的な教会群、モダンな建築、手つかずの大自然、そして毎晩続く美食の宴。そのすべてが、あなたの旅を忘れられないものにしてくれるでしょう。
初めてのジョージア旅行で失敗しないための「治安」「費用」「アクセス」といった基本情報から、「トビリシ」「カズベギ」などの定番エリア、さらには「グルメ」「ワイン」の深い魅力までご案内します。あなたの「ジョージアに行きたい」を「ジョージアに行く」に変える、完全ガイドの始まりです。
ジョージア旅行の完全準備マニュアル
旅の計画はここから。ジョージア旅行が初めての初心者でも安心の基本情報を網羅しています。
2-1. アクセス:日本からジョージアへの道
現在、日本からジョージア(首都トビリシ国際空港 – TBS)への直行便はありません。アジアや中東、ヨーロッパの主要都市を経由するのが一般的です。
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イスタンブール(トルコ)経由:
ターキッシュエアラインズ利用。乗り継ぎもスムーズで便数が多く、最も人気のあるルート。 -
ドバイ(UAE)経由:
人気のエミレーツ航空利用。中東経由は比較的安価なチケットが見つかりやすいです。 -
ドーハ(カタール)経由:
SKYTRAX(スカイトラックス)社で2年連続1位のカタール航空利用。こちらも高品質なサービスが期待できます。
所要時間は、乗り継ぎ時間を含めて約15時間〜20時間が目安です。
2-2. ビザ・入国条件
朗報です。日本のパスポート保持者は、ビザなしで1年間の滞在が許可されています。
この「ビザなし長期滞在」が、ジョージアを旅行先としてだけでなく、近年「ノマドワーカーの聖地」としても注目させている理由の一つです。
2-3. 驚きの物価と費用目安「ジョージア 旅行 費用」
ジョージア旅行の最大の魅力の一つが、その物価の安さです。ヨーロッパでありながら、東南アジア並みか、それ以上にコストパフォーマンスが高いと感じるでしょう。
首都のトビリシと鉄道で行けるエリアはお値打ちですが、それ以外の地域へは基本車移動となるため、それなりの費用がかかります。
物価の具体例:
- 交通費: トビリシ市内の地下鉄・バスは一律1ラリ(約50円)。
- 配車アプリ (Bolt): 市内の移動なら5〜10ラリ(約250〜500円)程度。
- 食事代: ローカル食堂なら満腹食べて15〜20ラリ(約750〜1,000円)。
- ワイン: スーパーなら美味しいワインが1本15ラリ(約750円)から購入可能。
旅行費用目安:
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日数: 首都+近郊なら5日間。山岳地帯やワイン産地も巡るなら7日〜10日間がおすすめ。
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費用: ヨーロッパの中では物価が安く、コストパフォーマンスが高いのが魅力。航空券(ドバイ、イスタンブール経由など)を除けば、現地滞在費(宿泊・食事)は比較的安価に抑えられます。
航空券(22万円〜)を除けば、5泊7日の滞在費(宿泊・食費・交通費)は8万円〜12万円程度でも十分に楽しめます。
2-4. 気になる治安:「ジョージアは安全か?」「ジョージア 治安 悪い?」
結論から言うと、ジョージアの治安はヨーロッパ諸国の中でもトップクラスに良好です。 ジョージア政府観光局も安全性を強力にアピールしており、特に首都トビリシの中心部は、夜遅くまでレストランやバーが営業し、女性の一人歩きでも不安を感じることは少ないでしょう。
国民性は穏やかで親日的。「日本から来た」と伝えると、笑顔で歓迎してくれることが多々あります。ただし、スリや置き引きは観光地では最低限の注意が必要です。また、ロシアとの国境の一部地域(南オセチア、アブハジア)は外務省の退避勧告が出ていますが、これらは一般的な観光ルートからは完全に外れています。
2-5. ベストシーズンはいつ?
ジョージアは四季がはっきりしており、どの季節にも魅力があります。
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春 (4月〜6月): 新緑が美しく、花々が咲き誇る季節。ハイキングに最適。
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夏 (7月〜8月): コーカサス山脈(カズベギ、スヴァネティ)は涼しく、最高のトレッキングシーズン。黒海沿岸(バトゥミ)も賑わいます。
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秋 (9月〜10月): 「ルトヴェリ」と呼ばれるワインの収穫祭がカヘティ地方で行われます。果物も豊富で、食とワインのベストシーズン。
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冬 (12月〜3月): スキーリゾート(グダウリ、バクリアニ)がオープン。トビリシの硫黄泉(温泉)も格別です。
絶対に行くべきジョージア観光地ガイド
ジョージアはエリアごとに全く異なる顔を持ちます。定番から秘境まで、その見どころを深掘りします。
3-1. 【首都】トビリシ (Tbilisi):新旧が交差する「コーカサスのパリ」
ジョージアの旅はここから始まります。クラ川(ムトゥクヴァリ川)が街を分け、その両岸に魅力が詰まっています。
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トビリシ旧市街 (Old Tbilisi):
トビリシ 旧市街 観光石畳の道、カラフルな木造のバルコニーが続く家々。どこを切り取っても絵になるエリアです。「ジョージアの母」像が立つ丘や、ナルカラー要塞 (Narikala Fortress) からの眺めは必見。ロープウェイで登るのがおすすめです。

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アバノトゥバニ (Abanotubani) – 硫黄泉(温泉街):
トビリシ 温泉 アバノトゥバニトビリシ(「温かい場所」の意)の地名の由来となった場所。ドーム型の屋根が特徴的な公衆浴場で、個室を借りて伝統的な垢すり(キスィ)を体験するのも一興です。伝説では、王のハヤブサが獲物と共にこの温泉に落ちたことから発見されたと言われています。

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平和の橋 (The Bridge of Peace) とリーケ公園: 旧市街の対岸にある、近未来的なデザインの歩行者専用橋。夜のライトアップは幻想的です。

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ルスタヴェリ通り (Rustaveli Avenue): 旧市街とは対照的な、近代的なメインストリート。オペラハウス、国立博物館、国会議事堂などが並び、ジョージアの「今」を感じられます。
3-2. 【絶景】カズベギ (Kazbegi):コーカサスの聖地へ
トビリシから北へ、軍用道路を車で約3時間。コーカサス山脈の雄大な自然に抱かれた、ジョージア随一の絶景スポットです。
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ゲルゲティ三位一体教会 (Gergeti Trinity Church):
カズベギ ゲルゲティ三位一体教会 行き方標高2,170mの山頂にポツンと佇む教会。背後にそびえる5,000m級のカズベキ山とのコントラストは、まさに「天空の教会」。麓のステパンツミンダ村から専用のジープで登る(約30分)か、体力があれば片道1.5〜2時間のハイキングも可能です。

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ジュタ村 (Juta) とトルソ渓谷 (Truso Valley): もしカズベギで時間があれば、さらに奥地へ。ジュタ村は「ジョージアのスイス」とも呼ばれる美しい谷間の村。トルソ渓谷は、手つかずの自然と鉱泉が湧き出る秘境トレッキングコースです。

3-3. 【ワイン】カヘティ地方 (Kakheti):8,000年のワイン史に酔う
ジョージア東部に広がる、国内最大のワイン産地。ジョージアワインを語るなら必訪の地です。
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シグナギ (Sighnaghi):愛の街
シグナギ 観光 ワイナリー城壁に囲まれた、赤い屋根が美しい丘の上の街。眼下に広がるアラザニ渓谷とコーカサス山脈の眺めは格別です。ロマンチックな雰囲気から「愛の街」と呼ばれ、24時間結婚登録が可能です。

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おすすめワイナリー:
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ハレバ・ワイナリー (Khareba Winery): ソ連時代のトンネルをそのまま利用した巨大なワインセラーが見もの。
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ツィナンダリ博物館 (Tsinandali Estate): 19世紀の貴族の邸宅と美しい庭園、歴史あるワインセラーを見学できます。
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3-4. 【秘境】スヴァネティ地方 (Svaneti):中世の塔が残る山岳地帯
ジョージア北西部、コーカサスの最奥部。アクセスは容易ではありませんが、訪れる者を圧倒する風景が待っています。
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メスティア (Mestia): スヴァネティ地方の中心地。「復讐の塔(スヴァンタワー)」と呼ばれる石造りの塔が家々に併設された、独特の景観が広がります。

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ウシュグリ村 (Ushguli):
ウシュグリ村 アクセス標高2,100mを超え、「ヨーロッパで最も標高の高い(通年居住者がいる)村」として世界遺産に登録されています。メスティアからジープで約2〜3時間。中世から時が止まったかのような風景は、まさに秘境中の秘境です。

3-5. 【世界遺産】イメレティ地方:Imereti(クタイシ)と周辺
ジョージア第3の都市クタイシは、多くの世界遺産や壮大な自然への玄関口です。
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ゲラティ修道院 (Gelati Monastery): 12世紀にダヴィド建設王によって建てられた世界遺産。内部のフレスコ画は必見です。

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バグラティ大聖堂 (Bagrati Cathedral): クタイシの丘の上にそびえる、街のシンボル。こちらも世界遺産です。

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プロメテウス鍾乳洞 (Prometheus Cave): 国内最大級の鍾乳洞。ライトアップされた内部は幻想的で、地底湖をボートで巡るツアーも人気です。

ジョージア旅行の真髄:「食」と「ワイン」を極める
ジョージア旅行は「食」と「ワイン」抜きには語れません。その奥深い文化を紹介します。
4-1. 必食!ジョージアグルメ BEST 7
ジョージア料理は、ハーブとスパイス、チーズ、クルミを多用するのが特徴。日本人の口にも驚くほど合います。
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ハチャプリ (Khachapuri) – チーズパンの王様 ジョージアの国民食。地方によって様々な形があります。

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イメルリ: 円形で、中にチーズが入った最もスタンダードなタイプ。
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メグルリ: イメルリの上にもチーズを乗せた、ダブルチーズの贅沢版。
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アジャルリ: (必食!) 舟形の生地にチーズと生卵を乗せたもの。アツアツのうちに卵とチーズ、バターをかき混ぜて食べます。
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ヒンカリ (Khinkali) – ジョージア風小籠包 肉汁たっぷりの水餃子。特徴は「正しい食べ方」があること。先端のつまみ部分を持ち、逆さにしてまず肉汁を吸います。つまみ部分は食べずに残すのが伝統的なスタイルです。

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シュクメルリ (Shkmeruli) 日本でも有名になった、鶏肉のニンニククリームソース煮。本場の味は濃厚で、パン(ショティ)との相性が抜群です。

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オーストリ (Ostri) 牛肉のトマト煮込み。ピリ辛でコクがあり、ご飯が欲しくなる一品。
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チュルチュヘラ (Churchkhela) クルミをブドウ果汁で固めた、伝統的なお菓子。見た目はユニークですが、栄養価の高い自然な甘さが特徴です。
4-2. ワイン文化:「スプラ」と「タマダ」
ジョージアでは、単にワインを飲むのではなく、「宴会(スプラ)」という文化が根付いています。 「スプラ (Supra)」は、ジョージア流の宴会を指します。スプラを仕切るのが「タマダ (Tamada)」と呼ばれる乾杯の音頭を取る重要な役割の人です。タマダは、家族、平和、祖国、友人など、様々なテーマで詩的なスピーチを行い、人々はそれに耳を傾け、乾杯を捧げます。この文化に触れることは、ジョージアの精神性を知る上で欠かせません。

4-3. 世界最古の「クヴェヴリ・ワイン」
ジョージアは「ワイン発祥の地」。その証拠が、「クヴェヴリ (Qvevri)」と呼ばれる巨大な土甕(かめ)を地中に埋めてワインを造る、8,000年前から続く伝統製法です。
この製法はユネスコ無形文化遺産にも登録されています。ブドウの果皮や種も一緒に発酵・熟成させるため、白ブドウから造っても、色が濃く、タンニン(渋み)を感じる独特の「オレンジワイン(アンバーワイン)」が生まれます。

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代表的なぶどう品種:
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サペラヴィ (Saperavi):(赤)濃厚で力強い、ジョージアを代表する黒ブドウ。
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ルカツィテリ (Rkatsiteli):(白)クヴェヴリで仕込まれ、素晴らしいアンバーワインになります。
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旅行者のための実用TIPS&Q&A
5-1. 現地での移動手段
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都市内(トビリシ):Tbilisi
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地下鉄・バス: 「メトロマニ・カード(Metromoney Card)」というICカードを購入すれば、どこでも一律1ラリ(約50円)で乗車可能。
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配車アプリ:「Bolt」が主流です(Uberは使えません)。非常に安価で安全、明朗会計なので旅行者の必須アプリです。
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都市間:
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マルシュルートカ (Marshrutka): 乗合のミニバス。安価で主要都市間を結びますが、出発時間が不規則なことも。
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鉄道: トビリシからバトゥミ、クタイシへは快適な鉄道も走っています。
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(おすすめ)チャーター車: 複数の観光地を効率よく回るなら、グラージュでの専用車チャーターが最も快適で安全です。
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5-2. おすすめのお土産
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ワイン: スーパーや専門店で。クヴェヴリワインはぜひ。
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チュルチュヘラ: 市場や土産物店で。
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ジョージアンスパイス: 「スヴァネティの塩」など、独特のミックススパイスは料理好きに喜ばれます。
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ミーナンカリ (Minankari): 伝統的な七宝焼のアクセサリー。
5-3. よくある質問 (Q&A)
Q1: ジョージア語が話せなくても大丈夫?
A1: はい、大丈夫です。首都トビリシの観光地やホテル、レストランでは英語が通じることが多いです。若い世代ほど英語話者が多い傾向にあります。ロシア語も広く通じます。
Q2: 「ジョージアは親日」と聞きますが、本当ですか?
A2: 本当です。理由は諸説ありますが、大相撲の栃ノ心関(レヴァン・ゴルガゼ氏)の活躍や、伝統や文化を重んじる国民性が似ていることなどが挙げられます。日本人とわかると非常に温かく迎えてくれることが多いです。
Q3: トイレ事情はどうですか?
A3: トビリシ市内のレストランやカフェ、ホテルは清潔な洋式トイレが完備されています。ただし、地方の公衆トイレや古い施設では、紙がない場合や衛生状態が万全でないこともあるため、ポケットティッシュは必携です。
ジョージア満喫モデルコース
グラージュが提案する、ジョージアの魅力を詰め込んだモデルコースです。
6-1.【5泊7日】王道3都市(トビリシ・カズベギ・ムツヘタ)
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1日目: 日本発
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2日目: トビリシ着。市内観光(旧市街、ナルカラー要塞)
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3日目: 終日カズベギ日帰り観光(アナヌリ教会、ゲルゲティ三位一体教会)
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4日目: 午前:世界遺産ムツヘタ観光。午後:トビリシ市内(硫黄泉体験、お土産探し)
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5日目: 終日カヘティ地方ワイナリー巡り(シグナギ、ワイナリー訪問)
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6日目: トビリシ発
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7日目: 日本着
6-2.【8泊10日】秘境スヴァネティも巡る周遊プラン
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(上記5日目に加え)
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5日目: 国内線でメスティア(スヴァネティ地方)へ移動。
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6日目: 終日ウシュグリ村観光(ジープツアー)
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7日目: メスティア周辺ハイキング、トビリシへ戻る
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8日目: トビリシで最後の晩餐(スプラ体験など)
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9日目: トビリシ発
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10日目: 日本着
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コーカサスの山々に抱かれた絶景、8,000年の歴史が息づくワイン、温かく迎えてくれる人々。ジョージアは、訪れる者の五感を刺激し、旅の価値観を変えてしまうほどの力強い魅力に満ちています。
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